やさしい手をつくります。 大切なものに触れるとき、ほっぺにさわるとき、猫にさわるときもやさしく触れますね。 でも、やさしい気持ちとやさしい触れ方は、ここではちょっと別に考えます。 気になる人と、その気のない人に触れるとき、これも今は考えないことにします。
人は手からたくさんの情報を取り入れて、そして伝えています。 ここでお話ししようと思っているのは、「伝える」方の手についてです。 ぼくは以前、知り合いの子供を抱き上げようとしたときに、その子がからだを固くして、逃げようとするような反応を感じたことがありました。 同じような経験を持つ人も多いと思いますが、そのときに伝わってきた感覚は、ぼくにはちょっと辛いものとして感じられました。
もちろん、タイミングもあったでしょう。 あなたがお子さんを持つ親なら、「そんなことよくあることですよ」と言ってくれるかもしれませんね。 ただ、ぼくが問題にしたいのは、「自分の触れ方とアプローチに問題があった」ということです。
そのことをきっかけに、技術としての触れ方を考えるようになりました。 どうすれば、躊躇せずに手を差し出せるのか、相手に違和感を感じさせない触れ方はないのか?という課題になりました。 そのプロセスから、からだ塾のいくつかのワークも作りました。 そのひとつが「やさしい手」です。相手に警戒させない手の出し方は、またいつかお話しすることにして、触れるための手の作り方を少し紹介します。

これは相対的なワークになります。例えば手をつかむことなく、掌で触れて相手を任意の方向に誘導します。 もちろん、掌で触れるだけでは相手は動いてくれません。ではどうするのか?ヒントは「自分のからだの調整」にあります。手で触れるから触れ方を工夫するのではなく、からだの「状態」を整えます。 相手が動いてくれるかどうかは、それを確認するための「チェックツール」です。なんとかして動けばいいのではありません。
このワークは当初、「子供の手を取って誘導しても、抵抗されることなく誘導できること」が成功の目安でした。 でもその結果、おまけに付いてきたのは、「武術的にも、日常においての人との接触の仕方にも」有効な技術になったということです。そして何よりこれも、できるようになるまでも「楽しい」ワークになりました。



コメント